セカンドデビュー【完】
都内の大雪のせいで飛行機は飛ばなかった。
新幹線と在来線を乗り継ぎ、青森の母の実家を訪ねた。


「倖太くんなら来てませんよ」

青森で来る場所はここしかないはずだ。
今まで、自分の親の故郷も知らなかったんだから。

……都内にいるのか?

電話は何回かけてもつながらない。
僕を放置とか、いい神経してるよ。

「琴音くん」
「はい」
「雪がやむまでお茶でも飲んでいきなさい」
「……でも、僕は……母さんの子供じゃありません」
「いいから。話があるの」
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