セカンドデビュー【完】
一瞬、社員証を叩きつけてやろうかと思ったが、琴音とうまくやっていくことは、最初から条件に含まれていたはずだ、と思い直す。

「わかった、買ってくるよ」

アイスコーヒーを買って戻ってくると、琴音は「水がいい」とニコリともせずに言った。
「そういうと思って。水も買ってきたよ」
「えっ」
 
紙コップに水を注ぐと、オレは琴音の顔にぶっかけた。
楽屋にたまたま来ていたスタッフが驚いて振り向いた。
< 59 / 592 >

この作品をシェア

pagetop