セカンドデビュー【完】
確かに、水原琴音と付き合ってるとなれば、売名と受け取られても仕方ありませんがと、前置きした上で、松本は、

「格上の相手と恋をするのは、エネルギーがいるんです。ブスで馬鹿女のリオが、アイドルでいられるのは、琴音くんと釣り合う自分がいたいからなんです」
「……」
「みながみな、才能に溢れてるわけじゃない。橘さん、あなたのような人ばかりではないんです」
「……私のことを?」
「リオが言ってました、イケメンのマネージャーが来たって。そちらのことは、琴音くんがいろいろ話しているようですよ。すぐ判りました。それにCD持っております」


「恋を利用するのは、そんなに悪いことですか」
「悪いとは思いませんが、そちらの都合で話をしないで欲しいですね。ああ見えても、琴音は男です、なにか間違いが起きたら」
「リオには好都合です、人気があっても結婚する芸能人なんて珍しくないでしょう」

……なんだそれ。

「……話になりませんね」
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