セカンドデビュー【完】
「……橘さん、あなたも元芸能人ならわかるでしょう? リオも必死なんです」

『元』芸能人で悪かったな。

「琴音だけで手一杯なのに、よその女の面倒なんて見ていられません。失礼します」

まあまあ、ちょっと待ってください、と松本が腕を引っ張った。

「琴音はあなたに懐いてます。一ヶ月で琴音を懐かせたのは私を除けば、あなただけです。橘さん」
「『私を除けば』?」
「はい。私は元マネージャーです」
「……はあ?」
「琴音をよろしくお願い致します。本当はいい子なんですよアイツも」
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