セカンドデビュー【完】
琴音に興味なんてなかった。
水原アヤの子供だから、役者になったんだと、親の七光りだと色眼鏡で見ていたのはオレの方だった。

「僕が欲しいのは友達じゃない。ハイハイ言うだけの付き人でもない、ちゃんと仕事の話ができる人が欲しい。軽々しく『仲間』なんて言葉を使わないで」
「……ごめん」
「僕と来るのが嫌なら、辞めてもらってもいい。僕は……本気だから」

じゃあ、どうして、そんな泣きそうな顔をしてるの。
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