あなたに
52



あの日あなたと
飲んだジュース


店で見かけると
つい
ふと
止まってしまうんだ



あなたは
あの日なにを
飲んだのか
覚えてないかも
知れないけど



けどあたしは
嬉しかったの

たくさんあるジュースの
中から
あたしとあなたが
同じものを選んだこと

取り合いしたこと





あたしがあのジュースを
飲んでいるあいだは
あの日に戻らせて

あなたと笑いあったこと
忘れたくないから


どうかあのジュースも
なくならないで
いつまでも
売っていて


あたしの
ちょっと特別なもの
消されたくない









…消したくないから
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