空になった君を
そう、それは私が小3の時。
お父さんは末期ガンになり医者にも長くは持たないと言われた。
『美空、今日も行くか!』
『うん!』
お父さんがガンになる前私たちは毎日のように大きな桜の木のある公園で空を見上げていた。
『美空、空を見上げてごらん。お父さんとお母さんはこの空の下で出会い、この空の下で美空が生まれた。この空の下ではいろんな出会いがあるんだよ。美空にもこれから先いろんな出会いが待ってる。その出会いを大切にするんだぞ。そしてこの空のような美しい心を持つ子になれよ』
『うん!』