好きじゃない。
「あたし、コーヒー。ブラックで。」

私は慌ててメニューを手に取り、一番に目に付いたカプチーノを頼んだ。

店員さんがお辞儀して立ち去っていった。

「あ、つい癖で…慌てさせちゃったよね。」

真子ちゃんがゴメン、と謝った。

気、遣わせちゃったかな。

「ううん、大丈夫!ここ、よく来るの?」

「うん、まあね。ここ、静かだから勉強にはもってこいなんだ!」

「そうなんだ。手際いいから、ちょっとびっくりしちゃった。」

その時。

カランカラン、と誰かが店に入ってくる音がした。
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