復讐するはあたしにあり

5

ガタン ガタン

規則正しい車輪の音。

ガタン ガタン

車窓を夕日に染まった街並みが矢のように流れ去っていく。

僕は、今、千秋、それから、陽子ちゃんと三人で今夜の心霊スポットツアーの集合場所である端島駅に向かう電車に揺られていた。

あと10分程で目的の駅に着くだろう。

そんな事を考えながら、窓の外をながめるでもなくながめていると、千秋がじっと僕の顔を見つめながら、聞いてきた。

「ねぇ、真一さぁ、さっきからずっと気になってたんだけど・・・。

なんか顔色悪くない?」

「まぁね」

そう、昨夜は、あんな幻覚を見てしまったおかげで、不安が的中し、よく眠れなかったのだ。
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