復讐するはあたしにあり
それにしても・・・。

あんな事があって、一週間近くも連絡がつかなかったわけだし、てっきり僕は今回のツアーは中止なのだろうとあきらめていたわけだが・・・。

しかし、どうやら予定通りに決行されるようだな。

そんな事を考えながら、小さなため息を一つ吐くと、僕は薄汚れた学生ラウンジの天井を見上げるでもなく見上げた。

要塞島、正式名称"青龍島"はかっては炭鉱の島として繁栄を極めた。

しかし、今から50年ほど前にその炭鉱で大規模な事故があって、炭鉱は廃坑へと追い込まれ、それ以来、この島は、しだいにさびれ始めて、今では住む人もいない完全な廃墟となっている。

そして、ここからはこの要塞島に関する、いわゆる都市伝説、噂の類の話となるのだが・・・。

この島では、今でも、その事故で非業の死をとげた炭鉱夫達の魂が、悪霊となって、島内を徘徊(はいかい)しているという。

この島で、得体のしれない、影を見たとか、叫び声を聞とかいう噂話がまことしやかにささやかれているのだ。

こうして、かつて炭鉱の島として繁栄を極めたこの島も今では知る人ぞ知る心霊スポットとなってしまったというわけだ。
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