君色キャンバス
「私たち同じクラスだよ!良かった!」
紗波が、クラス発表が終わった後で小百合や他の女子に駆け寄りながら、嬉しそうに笑っていた。
体育館の出口で、何人かの女子で固まって話す。
その中には、紗波と小百合の姿もある。
始業式はよく晴れた日で、ポカポカと四月の太陽が暖かかった。
「アタシも、紗波ちゃんと同じクラスー!」
「タカコもー!」
思い出せば、昔の紗波はかなりの人気者で、男女 問わず周りに人が集まっていた気がする。
「小百合、同じクラスだよ!やったね」
「う…うん」
どちらかといえば、クラスに馴染んでいないのは小百合だった。
暗くて大人しいため、四年生の時はイジメられていたのだ。
六年生となった今では、何人かの友達は居る。
紗波も、その中の一人だ。
「小百合ちゃんっ!遊ぼっ!」
「うん…良いよー」
始業式が終わった放課後に、小百合の所に友達の一人が遊びに誘いにきた。
聞けば、新しいクラスの全員で遊ぼうというらしい。
その友達は、隣にいた紗波にも話しかけた。
「小百合ちゃんはオッケーね!紗波ちゃんも遊べる?」
小百合が、
(紗波は遊ぶの好きだから…来るんだろうなあ)
と思いながら、隣を向くと__紗波のポニーテールが、左右に揺れたのを見た。