君色キャンバス
君色
桜が、美術室の窓の外に舞う。
一枚の花びらが美術室に入り込み、テーブルの上に置かれた水差しの中、透き通った水面に浮かんだ。
暖かいお日様が優しく差し込み、美術室の真ん中に置かれたキャンバスを明るく照らしている。
そのキャンバスの中には、二人の人物が、美しく繊細なタッチで描かれていた。
キャンバスの中に描かれているのは、優しく微笑む、祐輝と、
屈託無く笑う、紗波__
〜おわり〜
『君色キャンバス』 著.流岡 祐輝