異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。



「あたし……以前あなたを見たわ。厩舎のある丘で。あなたはライベルトと共にいたでしょう。あたしを見てたんだから、違うとは言わせないわよ」


『確かに、な』


銀髪男はあっさりと認めた。

『だが、私とライベルトが共にいるのは不自然ではない。何せヤツは私の弟なのだから』


……弟?


『そして、ライベルトはセイレスティア王国王太子、ティオンの従兄でもある』

「……どういうこと?」

『単純な話だ。セイレスティア王国現国王の妹である王女を母に、ディアン帝国皇帝を父に持つ……それがライベルトの本当の血なのだからな』


「……!!」


あたしが動揺した頃合いを見計らったように、銀髪男のマントが頭から外される。


その顔は……


間違えようがないほど、ライベルトと酷似していた。


でも、待って。


今、この人はライベルトがディアン帝国皇帝の息子だと言った。


……なら、そのライベルトが弟ならば。


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