異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
「ティオン!」
気づいて。
あたしとライベルトはここだよ!
何とかティオンに近づこうとするけど、どうも流れが良くない方へ向かってる。
このまままた拐われてしまう?
ライベルトがあたしを護ったまま、追い詰められていく。
……そんな時だった。
涼やかな鈴の音を響かせ、銀色の猫が現れたのは。
「ニャアン」
「あああああああっ! 可愛いいいいいィっっ!!!」
猫に触れ、にへらあ……と頬が緩むのを感じた。
次の瞬間。
バタバタと、帝国兵が倒れていった。
……をい。
あたしの周囲20mの人間全てが気絶して、ライベルトがまた50mは離れてるのは気のせいかね?
まぁいいや。
あたしは猫を抱きしめたまま、各種愛玩要素を堪能しつつ突撃。
跡には……屍(しかばね)類々。
実際には気を失って倒れただけだけど。
ちょっと!
なんで蒼白になったティオンの馬まで倒れてんのさ!