異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
そのまま反動を活かし、ライネス皇子が剣を振る。
ティオンは逆にそれを自ら受け、剣同士を擦り合わせた。
ティオンが剣を振りかぶる様に見えたけど、ライネス皇子が違う動きを仕掛けた。
隙を突いて、下から?
違う。
もうひとつ、仕込まれたナイフがティオンの心臓を狙ってた!
大きな剣が影になって、仕込みナイフに気づかなかったら?
「ティオン!!」
あたしはただ、夢中で呼んでた。
なのに……。
ティオンはあたしをチラリと見ると、唇の端を上げて不敵な笑みを見せた。
そして。
ティオンは振りかぶった剣を叩きつけ、ライネス皇子の剣を叩き折った。 もちろん、仕込みナイフも粉々になる。
そしてそのまま勢いを反転させ、剣の切っ先をライネス皇子の喉元に向けた。
『勝負、あったな』
両手を挙げたライネス皇子が、さばさばした様子で笑う。
『王国自慢の騎士の腕、しかと目に焼き付けた。あんたが敵ではしんどそうだ……しばらく大人しくするさ』