異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
「もしかしたら寂しかったのかな?」
猫を抱き上げただけで頬が緩むのを感じた。それを鈴華が不気味なモノを見る目でみてるが、気にしない!
「アンタ……そのニヤニヤの顔面崩壊はマジヤバいから。人目に晒しちゃいかんよ」
しみじみと言われるほどですか。どんだけ不気味な顔なんですかい。
「いいもん! あたしは猫さえいれば幸せなんだから」
ギュッと抱きしめてすりすりと頬擦りをした。苦しいのかぱふん、と柔らかな肉球で鼻を猫パンチをされ、もはやヤバすぎます。 萌え尽きそうですっ!
「あ~はいはい……ごちそうさま~」
鈴華は明後日の方向を見つつ、パックのトマトジュースをじゅ~っと音を立て吸った。
何ですか、その思いっきり“ど~でもいい”って空気は!
「あ、ジュース切れた。自販機行ってくるわ」
休み時間はまだ30分ある。鈴華は水分がないとお昼が食べられないから、と立ち上がる。
「アンタもなんかいる?」
「じゃあ牛乳お願い」
猫ちゃんにあげられるものは何にもないから、せめてとミルクを頼んだ。