異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。



絶対にいつか帰る、という想いを支えに。あたしは日々頑張っていく。


何日か他の下働きの会話やキキの話を聞いているうちに、なんとなく掴めてきた。


この国は数年前に隣国と大きな戦争があり、辛うじて国境を死守できたものの、莫大な軍事費と人材の消耗で国が傾きかけているという事を。


現在の国王は病に臥せっているため、王太子である第3王子が摂政として政務を代行しているという。


戦争……か。


これまた平和な日本ではついぞ縁がない言葉だ。


やっぱり、ここが日本じゃないことは否応なしに認めるしかない。


それよりは問題があった。


ここが日本でないとしたら、どうやって帰るかということ。


実際問題、あたしは土地勘なんてないし。お金を貯めて帰るにしても道案内が必要だ。
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