異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
キラキラ(セクハラ)王子さまは、案の定この国……セイレスティア王国の王太子殿下だった。
ティオンバルト・ルラ・セイレスティア……正式名はもっと長ったらしいけど、とりあえずはこれが名前。
王国の第3王子にして王太子の彼は御年19で、年明けとともに20になるらしい。その新年祭である祭事で少なくとも婚約者をお披露目する必要がある……ときたもんだ。
だからか。あたしを選んだのは。
有力な貴族の姫や他国の王女様だと、いざ婚約となれば国内外の政務に影響を及ぼしかねない。オマケにそうそう婚約破棄なんて出来ずに、そのまま結婚までまっしぐら。
それにひきかえ、あたしは自国の民どころか、異世界から来た平々凡々な小市民。仮の婚約した後も、相応しくないとか何とか難癖つけていでも切り捨てられる。
異世界で立場もなく庇護を受けてる以上、逆らわない方がいいんだろうけど。
……けど。
「だからって、人の意思を丸っと無視して……いい加減にしてくれって感じだわよ!」
あたしは思わずダン! とテーブルを叩いた。