異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。



「そっかぁ……みんな仲がいいんだ」


少なくともティオンには2人の兄王子がいて、第一王子は王太子だった。それがどうして、ティオンが王太子となったのか。

彼が王宮でなく離宮に住まい政務を執ることと何か関係があるの?


過去に仲がよかったのに、今は仲違いでもしてるんだろうか?

そういえば、セイレスティア王国に来てから、第一王子と第二王子の話は聞いた事がないと気付いた。


これは一体どういうことなんだろう?


「その冒険で、ティオンは泣かなかったの?」

『僕は好奇心の方が勝ってたからね。何もかも珍しくって、よく兄上に怒られたよ。離れるなって。
渓谷では夜に光る苔やキノコなんかもあって、意外と賑やかなんだ』

「へえ……」

『けど、どちらかと言えばライベルトの方が大変だったかな。僕の小侍従をしてたけど、年上なのに後ろにくっついて離れなかったんだ。崖を渡る時は服を掴んできて……』

『ティオン!』


思わずライベルトが声を荒げるのを見て、可笑しくなり吹き出した。


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