異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
「ライベルト、高いところが苦手だったんだね」
『昔のことだ』
わざとからかう様に言えば、仏頂面が更に無愛想になったけど。それで構わない。
「ライベルトやティオンにもそんな子ども時代があったんだね。木登りはどちらが得意だったの?」
『ライオネル王太子殿下が一番得意であられた』
ライベルトがボソッと答えてくれたのが意外で、だけど何だか嬉しい。
「ふうん。ライベルトは得意じゃなかった?」
『いや、こいつは意外と器用に登ったんだ。秋に木の実や果実がなると、我先にともぎにいったけど。そういう時には決まって一番がライベルトだった』
『殿下!』
ティオンの暴露に思わずといったふうで、ライベルトが咎める声を上げたけど。
流石に言われっぱなしは悔しかったらしい。
『そういうあなただとて、7つまで夜にトイレに行くとき怖いから……って俺を叩き起こしてましたよね?』
『……おい』
『国王陛下へ献上する珍しい砂糖菓子を全てつまみ食いした挙げ句、俺に罪を擦り付けたことも忘れませんよ』