異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
「ええ~っ! ティオンはそんな事をしたの。最低」
ジトッとした目で見てやれば、ティオンがばつが悪そうな顔をする。
『あのときはまだ3つかそこらの話じゃないか! もう時効だよ。時効』
「なんか都合良すぎない? ティオンは忘れても、された方は忘れないんだよ」
更に力を込めてじいいっ……と睨めば。
やがて、ティオンが観念したように両手を挙げた。
『……分かった! 強情なお姫さまには負けたよ』
と嘆息したティオンは、こうと決めたら素早い。
『ライベルト、あの時は本当に申し訳なかった。おまえの心はまだ傷ついているだろうが……許して欲しい』
本気らしいティオンは、その場で膝をつき正式な謝罪をしてくれた。
これに慌てたのがライベルト。しばらく呆けたように目を瞬いた後、慌ててティオンを制止した。
『おやめください! あなたは王太子殿下。誰であろうと、膝を着くような真似はなさらないでください』
『いいや、今の僕はティオンだ。君の幼なじみで親友。そのつもりの謝罪……受けてくれるか?』