異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
ライベルトのお陰で果物屋で無事に買い物を済ませられた。
彼のそばにいると、大きな翼で護られてるみたい。
ぶっきらぼうだけど、こんなさりげない優しさを何度もくれた。
……あたしに返せるものはあるのかな?
ティオンやキキやライベルト。他にもたくさんの優しさや親切を受けてきた。
恩知らずには、なりたくない。
『たくさん歩いて疲れたでしょう。少し休憩しましょうか』
「あ、別に良いよ。早く戻ってキキと入れ替わらないと……」
ライベルトに休憩を促され、断ろうとしたら眉を寄せられた。
『靴が慣れてないでしょう。足が痛い歩き方をしてますよ』
「……こ、これくらい平気だよ」
『いけません。ちょっとここにいてください。柔らかい靴と飲み物を買ってきます』
ライベルトはあたしを見えないベンチに押し込め、近くにいた警備の人にお金を掴ませるとすぐに去って行った。
……やっぱり誤魔化せなかったか。
キキから借りた靴は全然サイズが合わなくて、踵が靴擦れを起こしてたのは事実。