異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。
『お待たせしました。まずは手当てをしましょう』
ライベルトは5分と掛からず戻ってきた。
『そのまま靴を脱いで足を見せてください』
「え……っと、あのさ。あたし、自分でやるよ」
仮にもあたしだって女の子ですから、恥じらいというものはありましてですね。
お年をめしたお医者様ならともかく、ライベルトみたいな妙齢の男性に、盛大に素足を見せるのは気が引けるのですよ。
『いけません。この材質の靴は手当てを間違えたら、痕が残ります。あなたは知らないでしょうから、私が致します』
にべもなく撥ね付けられ、渋々足を出す。
『喉が渇いたでしょうから、これでも飲んでいてください』
コップにストローが突っ込まれてて、あたしは仕方なく受け取り口をつける。
う~ん。なんだろこの甘酸っぱい果実。プチプチして美味しい。
まったりとした後味もあるなあ。
……む。飲んでるうちになんだか瞼が……重くなってきた……おかしい……な。
カシャン、とコップが落ちる音を最後に、意識が闇に沈んでいった。