僕の、うさぎさん。
すると、
「あの……」
声のした方に顔を向けると、おじいさんとおばあさんがいた。
「はい?どうされましたか?」
俺らは立って、笑顔で聞いた。
おじいさんが口を開けた。
「あの……その子犬を、近くでみてもいいですか?」
「あっ、はい!どうぞ!」
さのひなこは子犬を差し出した。
おじいさんとおばあさんは、子犬を前にして優しい目を向けて子犬を撫でた。
「まぁ、まぁ、可愛らしいこと。」
「ランにそっくりだな。」
「ラン……?」
「ああ、昔…といっても20年くらい前に飼ってた犬の名前だよ。走るのがとても速かった…だからラン。」
懐かしそうに話すおじいさん。
「もう、死んでしまったんだけどねえ。あまりにもそっくりだったもんで……」
そうだったんだ……