僕の、うさぎさん。
さのひなこを家に送りながら、俺は考えていた。
さのひなこに振り向いて欲しい。
まだ、早すぎる。
入学したばかりだから、みんなよく知らないから…
さのひなこは可愛いし、ライバルとか絶対現れそうだな…
とくに先輩からモテそう。
俺と今日過ごしたことなんかすぐ忘れるだろうな……。
ひとりでうなだれていると、さのひなこの家についた。
「あれっ、さのひなこ、ここ西中校区だよな?」
淳平も西中だったけど、さのひなこのこと知ってる風には見えなかったけど……
「あっ、わたし、引っ越してきたの。だから、高校で知り合いいなくて。」
さのひなこによると、親の転勤で引っ越し、そこに1番近い高校を受けたんだと。
もしさのひなこが引っ越してこなかったら、会えなかったんだよな…