僕の、うさぎさん。
お姉さんの、さのひなこエピソードもっとききたかったな…。
でも、今日はもう遅いから帰らなきゃ。
…また話聞きたいな。
俺は、さのひなことお姉さんにバイバイを言って、自分の家へと歩みを進める。
…俺は、聞き逃さなかった。
さのひなこのお姉さん、『悠馬くん』って言ってた。
悠馬ってやつ、さのひなことどういう関係なんだろう。
誰なんだよ…
こういうとき、彼氏だったら躊躇わずに聞けるのに。
俺は、ただの友達だから…踏み入ったことは聞けない。
俺は、もやもやした気持ちを振り払うように少し早足で歩いた。