続》スウィートレッスン
【6】 ココロの傷痕
[ ダイ:side ]
「あぁ だりぃ。ちょっと寝るか…」
残り15分となった貴重な昼休みを 昼寝に使おうをしていた俺のところに1人の生徒が やって来た。
「あっ あの 早川先生…」
「なんだ…秋元か。どうした?」
自ら声をかけてきたのに、足元に視線を伏せている…秋元なるみ。
俺が数学を担当している1年D組の生徒だ。
いたって ごくフツーの生徒で
しいて言えば…かわいい部類に入ると思う。
でも 俺がかわいいって、心から思うのは…アイツしかいないけど。
だから どんなにかわいい生徒が側にいても全然興味はない。
「えっと…あのパウンドケーキを調理実習で作ったんです。食べてみてくれませんか?」
差し出されたモノは…赤いリボンでラッピングされたピンク色の袋。
って…待てよ。
こんなことが以前にもあったような気がする。