続》スウィートレッスン

そうして やっと唇が解放された。


「…ダ…イちゃん」


名前を呼ぶとおでこが何かに衝突した。


「イタッ!」


なに?ゆっくり瞼を開けたら



───スー… スー…ッ



「えっ 寝ちゃったの?」


目の前に寝息をたて…穏やかな顔をして眠っている姿があった。


学校から帰ると すぐあたしの家に来てくれて、毎日 夜遅くまで数学を教えてくれた…ダイちゃん。


「働きすぎだよ」


あたしは言葉にできない感謝の気持ちを込めて、ダイちゃんの顔を小さな胸の中に抱き締めた。


その中で 口元を緩めて


まるで…笑っているみたいに眠っている大好きな人の幸せそうな顔。
< 372 / 408 >

この作品をシェア

pagetop