続》スウィートレッスン
そうして やっと唇が解放された。
「…ダ…イちゃん」
名前を呼ぶとおでこが何かに衝突した。
「イタッ!」
なに?ゆっくり瞼を開けたら
───スー… スー…ッ
「えっ 寝ちゃったの?」
目の前に寝息をたて…穏やかな顔をして眠っている姿があった。
学校から帰ると すぐあたしの家に来てくれて、毎日 夜遅くまで数学を教えてくれた…ダイちゃん。
「働きすぎだよ」
あたしは言葉にできない感謝の気持ちを込めて、ダイちゃんの顔を小さな胸の中に抱き締めた。
その中で 口元を緩めて
まるで…笑っているみたいに眠っている大好きな人の幸せそうな顔。