続》スウィートレッスン
大学時代と…化粧が違うのか?
いや…それだけじゃない。
目元にきつさがなくなり、誰が見ても…嫌みのない美人って感じがする。
唯一 変わってないことと言えば、少し色素が薄い茶色の美樹自慢の長い髪の毛。
それが ちょうど廊下の窓から入ってきた心地いい風に吹かれ揺れた。
頬にかかる髪の毛を手で押さえるしぐさは、あの頃のままに思える。
「彼も同じ数学担当だし、高瀬さんと席も隣だから いろいろ質問するといいですよ」
「……はい。そうさせてもらいます」
教頭にそう返事をしながら、美樹は 俺の目を見て軽く微笑む。
その笑った口元を見て…不覚にもドキッとしたなんて
ヒナには 絶対 言えるわけがない。