夢見る君影草
夢の人


 夕陽が眩しくてよく見えないの。
 涙で前が見えない。


 ここはどこなの?

 パパはどこにいっちゃったの?



 おねがい。……スゥをおいていかないで!!
 ひとりぼっちになっちゃうよ……。


 パパ……!!

 パパ……





「───スゥ!」


「おいで、俺がパパを探してあげる」



 そう、言ってくれたのは誰だったっけ。



「お利口にしてたら迎えなんてすぐだ」



 そう言って、涙の止まるおまじないをしてくれたのは誰だった?

 おひさまみたいなきらきらの笑顔で笑いかけてくれたのは誰?

 あったかいおひさまみたいに優しくて、心地のよい風みたいに消えてしまった素敵な人。

 また、あえる?

 ううん。
 きっと、これは夢。

 自分が傷つかないように、自分で作り出した夢に違いない……。


 だって、わたしは捨てられたのだから。




 ───

 ───────・・・




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