皮が剥けた
その水溜まりがまた、なんとも、あまりにみずみずしい。

思わず見入れば、あらわになった肉から、じわじわ、じわじわ、肉汁のように染み出してくる。

それはもう、留まるところを知らない。

じわじわ、じわじわと。

一瞬、舐め取りたくなった。

しかし、やめた。染みたら痛そうだし、化膿したら嫌だ。

怪我した中指だけピンと伸ばし、救急箱から絆創膏を出す。

そしてうまく、中指に巻きつけた。
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