【短】ばいばい
*
≪もと……く……………ッ…!≫
「!?奈美、今何処にいる!!」
「……………。」
ミサキはこの流れを横目で見ていた
元樹はミサキの彼氏でもあるのにも関わらず、何らかの助けを求める幼馴染みの奈美にかまう
これは一度や二度のことでなくしばしばあること
(…………いくら私が彼女らしく無くともさ、一応彼氏彼女の関係でしょ?これって浮気行為だよね。)
忙しく準備する元樹に話しかける
「大変だね。彼女でもない奈美の面倒を見るのをさ。」
「あいつは今親が遠くにいるんだぞ!泣いている奈美を放っておけると思うか?」
「…………。それで奈美は何で泣くの?」
「分からない……寂しいからだと思う。」
(は?自らの意思で親元を離れたのに寂しいってか?なめてるな。)
奈美のもとへと駆け出す元樹を白眼視しつつ見送る
(…………そろそろ彼女らしいことをしよっかなと思ったんだけどなー。)