【短】ばいばい
ミサキとのデートのこと、幼馴染みのことを抉られるように言われ続けられて何も言い返せない元樹の目には涙が浮かんでいた
「二度と目の前に現れないでね。さようなら。」
ミサキの言葉で元樹は崩れ落ちた
ミサキとヒロはそんな元樹を放っておいてその場から立ち去った
「はぁー……本当に鬱陶しい人でしたこと。自ら腕を振り払ったのに。」
「ミサキにも心残りがあるとか?」
ヒロの言葉に何の反応もせず、ミサキはサラッと答える
「そんなの全くないよ。キスどころか指一本触れたことすらないからね。」
「ははは……相変わらず厳しいな。」
「彼氏と言えども、簡単には許さないよ。」
「俺の場合は違ったようだが?同じ幼馴染みなのに。」
「うーん…………感情が違ったのもあるかな。あいつ(元樹)は長い付き合いしたからか、ただのお友達でしかなかったから付き合ううちに変わるのかなって思ってたからね。」
ミサキの吐露にヒロは意外だなと思った
実はヒロもミサキの幼馴染みでもあった
幼いときに引っ越す前まではミサキの実家の近くでよく遊んでいた
元樹と奈美は引っ越した先の地で遊んでいた
元樹と別れて実家に戻り、偶々家の近くでヒロと再会を果たした
それから共に日々を過ごし、いつの間にか恋仲となっていた