愛しのパシリくん
隣には、私にうちわで風を送る伊藤。
一生懸命扇いでる姿が可愛いくて、何事もない様にふるまうのが精一杯。
「…あ!!成瀬さんの力で体育館にクーラーつけて下さいよー♪」
急にひらめいたような子犬の笑顔で私を見て、ニコッと微笑む伊藤。
……反則だ。
私の目には、マンガみたいに伊藤の周りに花が咲いてるように見える。
「…そんなに言うなら、別に設置してあげてもいいけどっ!!」
「え、マジで?ありがと成瀬さんっ!!」
そんな顔されたら、何でもしてあげたくなるんだってば。
ベタ惚れだな、私。
―…後で校長に話つけに行くか。
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