愛しのパシリくん



―…だから、私には伊藤がいれば良かった。


伊藤をパシることで伊藤をつなぎとめていた。



そんなことを願う日常の中で私の恐れていた日はついに、やってきた。


何の前触れもなく、ただ刻々と。



―…あいまいな私と伊藤の関係は、この日から壊れていったんだ。




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