愛しのパシリくん




今日は何を理由に呼び出そうか……


考えた挙げ句、買い物をさせてパシることに決めた。



「…あ、伊藤。お茶買って来てよ。」



わざと、さりげなく要望を伝えた私。


……嫌な予感がする。



伊藤の、覇気のない声。


いつもより、かなり低い声のトーン。



……こんな伊藤、私の知ってる伊藤じゃない。



「………成瀬先輩、お話があるんですけど……」



―…成瀬…先輩?


いつもは『さん』なのに。


何で今更、先輩って呼んでるの?



…伊藤、何か今日おかしいよ。




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