愛しのパシリくん



―…そんな気分のまま、迎えた次の日。



私は奈々と移動教室のために、廊下を歩いていた。



しかも、そこは…伊藤たちの学年の校舎の廊下。



「姫、伊藤くんいるかなっ?」


楽しそうに、きょろきょろと周りを見渡して伊藤を探す奈々。



「……どうだろうね…」


そんな奈々に対して、苦笑いしか返すことの出来ない私。



でも表情とは裏腹に、心の中では必死で伊藤を探してる。



…そんな私の耳に、とある声が届いた。


「いーとうっ♪」



それは伊藤を呼ぶ、少し高めで可愛いらしい女の子の声。




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