愛しのパシリくん
誕生日の夜に…
たくさんの人で賑わう私の家。
そして、正面の豪華なイスに腰を掛けてる私。
いわゆる、お誕生日席ってやつ。
「姫可様、お誕生日おめでとうございます。」
さっきからしつこい程耳にする、私の誕生日を祝う言葉。
まぁ、パパと契約を結びたいって考えの会社の社長ばっかりなんだけど。
「……どーも。」
今の私はみんなに笑顔作って、愛想ふりまく気なんて全然ない。
だから心のない言葉で、適当に返事を返す。
早く終わらないかな……
なるべく早く、ひとりになりたいのに…
…どんなに、有名なデザイナーが作った綺麗なドレスで着飾られても。
…一流シェフが作ったおいしそうなご馳走が並べられても。
私の頭の中には、いつも伊藤だらけ。
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