愛しのパシリくん
姫可と理功
「―…ごきげんよう、成瀬姫可です。」
マイクに向かっているのに
伊藤と向き合ってる気分。
でも、恥ずかしがってないで伝えなきゃ。
伊藤への気持ちは、もう隠したりしない。
「私は…成瀬姫可は…」
大きく息を吸い込んで
「…伊藤理功が大好きです!!!!」
ずっと言えなかった言葉を全校生徒と先生
そして、伊藤に
自分の気持ちを伝えた。
「私は…っ卑怯でずるくて、パシリをさせれば伊藤は離れて行かないって思ってて………」
溢れ出した気持ちは、止まることを知らない。
次から次へと溢れ出る。