愛しのパシリくん



「姫ー!?大丈夫!?」



ずぶ濡れになった私を心配して、慌ててタオルを探す奈々。


私は、何が起きたのか訳も分からず濡れた格好のまま立ちつくしていた。



分かるのは、頭のてっぺんからつま先まで、濡れてるってこと。



頭が状況を整理をし始めて、やっと事態を理解する私。


徐々に、それは怒りへと化していった。




「すいません、大丈夫ですか?」



申し訳なさそうに謝りながら、私に近付いてくる誰かの声。



『すいません=犯人』!!



頭の中でそんな式を作った私は…


突発的に声の方向をキッと鋭く睨み付けた。




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