愛しのパシリくん



素早く、視線を向けて相手を怒鳴りつけた私。



「―…ちょっと!!あんたねぇ…」



振り返ると、後ろに立っていたのはひとつ学年が下らしい男の子。



私は思わず拍子抜けして、睨むことを忘れてしまった。



…この子、本当に男の子?


女の子みたいな可愛い顔の造りしちゃって…



意外な相手に、私は思わず見入ってしまった。



片や、その子の表情は私を見ると……



「…げ。成瀬姫可……さん」


やばいって感じで、少しだけ顔を引きつらせて苦笑いを浮かべた。




よく見るとコイツが手に持っていたのは、ホース。


きっと、花に水をやってる時に私に水をかけてしまったんだろう。



しかし、思い出したように復活した私の怒りはおさまらない。



「私…花じゃないから。そんなのも分かんないの?」



冷たい言葉を吐き、相手を睨みつける。




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