Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】
「あら。
 残月は、死んじゃうほどひどい事は絶対しないわ。
 遊びだと割り切れれば、残月はとてもいいお友達じゃない。
 本気になったら、不幸だけど」

 花連は、にこっと微笑んだ。

「見た目も良いし。
 セックスも上手いし。
 人間じゃないから、いくら生で遊んでも妊娠もしないし。
 病気も感染(うつ)らない。
 時々ちょっと献血しなくちゃいけないけれど、そんなのたいしたことじゃないわ……
 ……それよりも、私の他に何人女がいるのか。
 そっちを考える方が嫌よね」

「……能天気なヤツ」

「あら……残月のことが好きだから、言えるんじゃない。
 嫌いな相手だったら、わたしのカラダには、指一本触らせないわよ?
 例え、お仕事でも。
 嫌な相手に無理やり抱かれるのは、女の子にとってものすごく苦痛なんだから。
 ……どんなに上手くたって、ね。」

「……それは、どうも」

 でも。

 ……お前の、俺に対する、その好意が、偽りのものだとしたら。

 お前は、俺に、抱かれるのだろうか……?

 三年ほど付き合って、すっかり俺のことを判ったつもりになっている、花連。

 俺は、お前に色々な話をして聞かせたが、一つだけ言っていない事があるんだ。
  
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