側に‥‥。
着いた所は、ラブホじゃなくて秀司の部屋。
「降りて。俺の部屋はここ。中入って。」
「はい。」
アパートに住んでる秀司の部屋は、思ってたよりも綺麗だった。
ただ、何だか寂しい部屋。
靴を脱いで、先にシャワーを借りる。
リビングも寂しかった。
お風呂場も寂しい。
どうしてかは、わからなかったけど、秀司が可哀想に思えた。
「お先にありがとうございました。」
「いや。あっちの部屋行ってろ。」
「分かりました。」
秀司はそっけない人。私もそっけなく返事をする。
秀司がシャワーを浴びている間、
ベッドによりかかって座った。
どうしてこんなにも寂しい部屋があるの?
そんなの分かるわけなくて、秀司がシャワーを浴び終えて戻ってくる。
「秀司さん‥‥。」
「何だ?」
「どうして秀司さんの部屋は寂しそうなんですか?」
率直な質問に秀司は笑った。
その横顔は、崩れてしまいそうなほど、脆く見えた。