さがしモノ
夜の街
ガチャッ
古い木製の扉を軽く押すと、ギィーーっと不気味な音を立てて扉が開いた。
コンクリートに囲まれ、窓1つない圧迫感のある部屋に足を踏み入れる。
「やっほー」
声をかけると、扉に背を向けるように置かれたソファーに座ったランが軽く振り返った。
「ッチ。」
「え。なになに。機嫌悪い感じー?」
キレーに整った顔の前でヒラヒラと手を振ってみるけど、
無反応。
「フウー、ランラン怒ってんのー?」
「知らんけど今、お前が火に油を注いだ。」
ガタンッ。
ギイーー、バタン
「まじかー。ランランって言っただけじゃん。」
プゥーっと頬を膨らますと、「キモイ」フウに一蹴された。