さがしモノ
キーンコーンカーンコーン。
もう聞き慣れた、ありきたりなチャイム音。
それと同時に私達2-Dの担任、通称なべティーが教室に入ってきた。
ガラガラ
「おはようございます。」
「おー。なべティー!。」
「おはー。」
このクラスは、担任と生徒の仲はそこそこ良いと思う。多分。
なんとも挨拶が軽い。
新しいクラスになって1ヶ月。この教室にやっと馴染みじ始めだした5月。
私の席は、窓際の後ろから3番目
ふと空を見てみた。
あっ。飛行機雲だ。今日、なんかいいことあるかも。
頬杖をついて窓の外をぼんやり見る。
「えー、突然だが、このクラスに転校生が来ている。」
だから、こんな言葉聞いてない。
「えー?男ぉ?女ぁ?」
「俺、女の子がいいー」
「かわいー子来い!!」
ざわめきだした教室に、やっと私は気づいた。
なんだなんだ?
「静かにしろ。おい。入って来い。」
担任がなにやら、ドアの向こうに声をかけた。
ゆっくりとドアが開かれる。