だから雨は嫌いだ

近くのスーパーでパン粉を買い、ついでに大好きなチョコレートも買って軽い足取りで家に向かった。口にチョコレートを放り込み甘さを味わう。たくさんお菓子を食べ、前よりも動かないのに私の体重は減っていった。チョコレートみたいな高カロリーのお菓子は痩せた身体を太らせるために食べる。怪しまれてはいけないから。
チョコレートをまた1つ、また1つと口に放り込む。口の中が甘くなり、物足りなくなり、そしてまた詰め込む。その繰り返しをしながら前を見たら父がいた。今日は早いんだと嬉しくなり駆け寄る。あと少しで追い付くと思ったらポケットから携帯が落ちた。電池パックが飛び出している。慌てて拾い、電池パックを押し込み蓋をかぶせる。そして再び走り出した時、前を見るんじゃなかったと瞬時に後悔した。
「パパお帰り！」
「ただいまー。元気にしてたか？」
「あなたお帰りなさい！」
「あのね、今日パパの絵描いたの！見て見て！」
「そうかー！うーんと格好よくかいたかー？」
「うん！」
「スグルったらずっとパパを描いていたのよ。」
「そうだったのかー！」
「えへへ！」
なんなんだろうこれは。