だから雨は嫌いだ
梅雨がきて毎日が雨で毎日憂鬱だ。バレーボールも湿っているし、床は滑りやすい。部活する気も失せるほど毎日が憂鬱で仕方ない。
友達と行くファミレスの回数も減り、足取りが重いまま帰路についた。靴も湿っていたのに雨で濡れて靴下もびっしょりだ。傘がもっとハイテクになればとか雨があがれとかくだらないことばっかり考えて歩いていた。ぼーっと前を向いていたら見慣れた傘と見慣れた背中を見つけた。父だ。めずらしく帰宅が早いとか夕飯3人で食べれるとか宿題教えてもらおうとかのんびり考えた後、父を呼び止めようと口を開いた。でも言葉はでなかった。
見慣れた傘に見慣れた背中の男は家よりももっと近くの家に入っていった。