サヨウナラ(アイシテルside祐)
サヨウナラ 1
ご近所さん
「行ってきまーす」
「ちょっと待ちなさい。今日は転校初日だからお母さんも行くって言ったでしょ。祐、待ちなさい」
俺は小学校2年生の夏休みにこの街へと引っ越してきた。
一人でも大丈夫なのに、心配性の母さんは慌てて靴を履いている。
そんな母さんをおいて行くことは出来ず、俺は壁にもたれかかりながら母さんを待っていた。
「おはよう。転校生?」
声のするほうを見るとランドセルを背負った女の子。
確かこの子は隣の家の子だった気がする。
「うん。今日からだよ」
「何してるの?」
「母さんを待ってる」
「私も一緒に行っていい?」
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