サヨウナラ(アイシテルside祐)
過ち
「こんなとこかな?」
「えーー!!!!私は祐に殺される予定だったんだ?!」
俺の話を聞きながらホッペを膨らましている可愛い亜美をいつもこの手で抱きしめたいと思っている。
「最低な奴だよな」
「そんなことないよ。私だって……誰だって大切な人を失えば周りが見えなくなるよ。それに祐の優しい心じゃ誰かを傷つけたりなんかできないよ」
「これ……俺がつけたも同然だ」
亜美の左手を掴んで裏返すと今も痛々しいほどの傷跡が残っている。
その傷跡を見るたびに俺の心は悲鳴を上げるんだ。
どんなに後悔しても変えられない過去。