サヨウナラ(アイシテルside祐)


「祐……大丈夫。由梨絵さんの気持ちを受け取って、きちんと由梨絵さんにお別れしてあげなくちゃ」



俺の手の上からそっと亜美が手を重ねてくれた。



俺はゆっくりとブルーのリボンをはずし、箱を開けた。



そこにはネックレスが入っていた。



クロスのネックレスはキラキラと光り、まぶしいくらい俺の目に焼きついていく。



持ち上げてかざしてみると、ヒラリと紙切れが落ちた。



「祐……これ」



紙切れは亜美の膝の上に落ち、拾い上げる亜美の目が潤んでいる。



「何か書いてあるのか?」



ブンブンと顔を上下に動かし紙切れを俺に差し出す亜美。

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